アスベストの分析方法の違い

アスベストは、蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱物繊維です。丈夫で変化しにくく、熱・摩擦・酸などに強い極めて細い繊維となっているため、昔は建築物の断熱材や吹き付け材などとして使われてきたものになります。工業用品などにも使われてきましたが、吸い込むと肺がんなどを引き起こす発がん性物質でもあるため、現在では製造・使用などが禁止されています。昔の建築物を解体・改修する時は、このアスベストの調査をすることが必須です。

調査を行う会社はいろいろありますが、主な違いは分析方法が挙げられます。主な分析方法は厚生労働省が定めている3種類に分けられます。JISA1481-1という方法は、実体顕微鏡と偏光分散顕微鏡を使って行います。実体顕微鏡で建物から採取してきたサンプルを観察し、繊維を抜き取ります。

偏光分散顕微鏡で有無を調べるという方法です。短時間かつ低価格で調べることができますが、判定には高い判断力や知識が求められます。JISA1481-2は、X線回析装置と位相差分散顕微鏡を用います。サンプルを粉体状にして、それをX線回析装置で測定して回析の有無を調べた後に、位相差分散で繊維含有の有無を判定していきます。

高い技術力や知識がなくても判定できますが、判定までに時間がかかりコストも高い傾向です。JISA1481-3はX線回析装置で、定量を分析します。含有率を目的にしている方法になります。それぞれ特徴がことなるため、アスベスト調査をする際には分析方法にも注目して調査会社を決めることがおすすめです。