アスベストは石綿とも呼ばれる鉱石の一種で、防炎性が高く加工が容易な特徴を持っています。夢の素材と呼ばれるほど利便性が高く、建材をはじめ様々な物品に加工されましたが、一方で人体への有害性が指摘されたことにより、2006年からは製造や使用の一切が禁止されました。アスベストそのものは無毒ですが、鋭いトゲ状の繊維質が容易に飛散する性質が悪影響をもたらすのも事実です。呼吸で人体に入り込んだ繊維質は肺の細胞に刺さり、肺がんなどの重大な健康被害をもたらします。

2006年以前に建てられた建築物の多くにアスベストが使われていたことから、リフォームや解体作業を安全に行うには事前の入念な検査が欠かせません。アスベストの有無を調べる検査の報告が2022年に義務化されたことにより、解体などを行う際は有資格者が在籍する専門業者への依頼が必要になります。目視での判別が非常に困難である他、危険な物質の検査を適切に行うためには高度な知識を持つ有資格者が不可欠です。アスベストの検査に関する資格は複数存在しますが、中でも建築物石綿含有建材調査者による検査は2023年から義務化されることから、業者選びの際には所持している資格の確認が必須でしょう。

業者への依頼料は建物の大きさや築年数などで異なることから一概には言い切れませんが、一件につき約10万円が平均的な相場です。一方で金額とスキルの高さは必ずしも比例するわけではないので、過去の実績や利用者による口コミなどを多角的に見て慎重に判断することを心がけます。